本日の偉人の名言は、中村天風先生のお言葉『同情するという悪い習慣』です。
病を心配している者、あるいは運命に泣いている者、恋に悩んでいる者があると、そこに行って、理由のない同情をして相づちを打つことによって、何か人間としての、お互いの交わりに対する義務のようなものを感じる人がある。
「病の時なんか無理もないわよね、そんな病に。わたし感心しているのよ。あなたなんか、まだ気に掛けないようだわ。痛いでしょう、つらいでしょう!」なんて言葉が礼儀だと思っているが、それはまったく毒汁をなるりつけ合っていることだと気が付かないんだ。
人々はそういうことを考えないで、何度でも、心配や悲観のなすりつけ合いをすることの方が、同情的な、付き合いの豊かな人間のように思ってしまう。
そして、悪い習慣を悪い習慣と気が付かない。運命共通の通有性のように間違えてしまうと、人生の光明は、ますますその光を衰えさせて、結局は闇になるだけのこと。
本院の運命に対して、本当のまごころから目を覚まさせてやる努力をする人こそ、尊い存在だといいたい。暗闇のなかに目隠しをして飛び込んで暴れている人間を、そのうち明るくなったら目が覚めるだろうというふうに見ていたら、これは無理ですよ。
早く窓を開けて明るくしてやって、目隠しを取ってやらなければ。
引用:「本当の心の力」p.70より
著書:中村天風
出版:PHP研究所
本書を読んで、同情して満足している自分に気が付くことができました。
同情することは義務のように思っていることもあり、本書を読んで改めて、自分は良い人を演じたいだけだったということを思い知らされました。
社会生活の上で、同情して、相手の気持ちに共感することも大切だけど、必要以上の同情は自分も、相手にとっても何も発展性がないということに気が付きました。
必要以上の同情は、周りを不幸にするというこを忘れないようにしたいと思いました。